平成30年度栃鶴会学術講演会

平成30年11月18日午後3時から、KOデンタル研修室に於いて、土屋欣之（よしゆき）先生に御講演戴いた。先生は、鶴見大学歯学部の２１期生で、現在、地方独立行政法人栃木県立がんセンター歯科口腔外科科長の任に就いておられる。専門分野は口腔癌、口腔外科全般である。
　まず、歯科臨床家が考えるべき口腔疾患の代表的なものとして再発性アフタを例に挙げて解説を戴いた。（栄養素、口腔衛生の状態等、更に全身的な疾患を総合的に検討）次にQ＆A方式で梅毒、Hiv、舌がん、急性骨髄性白血病、アナフィラキシーショック等の写真を御供覧戴きながらディスカッションを行った。{この辺の話は自治医大20年の歴史の集大成、口腔疾患アトラスという書籍が販売されている（大変売れている）ので、ご興味のある方は是非、ご購入ください}。
　先生の御供覧下さった手術症例を拝見すると出血も殆どなく、非常に丁寧な術式で治癒経過も早いので、安心して患者様を紹介できると感じた。また、手術に際しての心がけに関しても、体調を整え、精神を集中し、患者様の情報収集（患者様、家族の考え、更に、頭からつま先まで手術に弊害になることはないか）を徹底的にして、更に手術以外にも患者様が満足する要素を心掛けながら行うとのことである。
続いて具体的な口腔がんの話題。アメリカでは発症率が日本の２倍だが、それ故、歯科医師を中心とした口腔がん検診（年２回）が定着しており、死亡率は2007年から日米で逆転したとのことであった。
　その後、具体的な、口腔所見の取り方、前癌病変、顎骨壊死（ビスフォスフォネート製剤）、歯性感染症に対する薬物療法の話題と続いた。
　その後、質疑応答が行われ、会は和やかに閉会した。

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